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zoom RSS 読むのは良い体験「自分の小さな「箱」から脱出する方法」

<<   作成日時 : 2010/11/19 20:51   >>

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良い本。主人公が新しく転職した会社であるザグラム社で、自分のふるまいを見つめ直すようなレクチャーを受けるというストーリーで、例として、主人公は、ホワイトボードの大切なメモを消されてしまった時に相手を強く非難したが、その人がなぜそうしたのかはおろか相手の名前も覚えていない、というケースから始まる。お互いに「箱」に入って自分を正当化して相手を非難する状態に陥っていないかと、家庭の中も検討していく。

「箱」というのは簡単に言うと自己正当化のこと。相手さえまともに行動してくれれば…と嘆きながら、いざ相手がちゃんと振る舞うと「そんなわけはない」という気持ちが起こったりする様子など、とてもよくわかる。相手のふるまいを散々こき下ろす態勢だったときに、肩すかしを食うと何か不満で落ち着かなくなるのだ。

物事がうまく行くよりも、自己正当化が大切になってしまっているようでは、ビジネスにも良くない。

「箱」の中という状態に陥ることは誰でもよくあることだが、脱出するのは簡単ではない。どんなテクニックを使おうが、自分の行動をどう変えようが無駄。心を変えないといけないのだ。「自分が間違っているかもしれない」「自分が自己正当化という「箱」に入っている」という自覚によってのみ脱出できるのだ。

私の大雑把な要約ではなく、微妙なところを実際に読んで体験をすることを勧める。


このように良い内容なのだが、二か所すっきりしないものを感じた。枝葉の部分だと思うが書いてみる。

一つ目は、「箱」に入るきっかけが「自分の気持ちを裏切ること」とされていること。そもそも、それだけと限定する必要はないのに、他にあるかどうか検討もしないでまとめてしまっている。つまり、自分がある相手のために何かをしようと思ったのに怠ってしまった時、その相手は何かしてあげるには値しない人間だと自己正当化を始める、という例がひとつあるだけなのだ。

だから何だというわけではないが、荒っぽいように思えた。

二つ目のすっきりしない点の説明は、まず私が読んでいてどういう気持ちになったのかから始めたい。

ストーリーでは会社の重鎮が次々と、かなりの時間を割いて個人的にレクチャーしてくれる。主人公は、どこかから引き抜かれてきた幹部候補なのだろうな。いいな。私もそんなふうに扱われたいな、と感じた。

私も、そんなふうな良い会社にいければいいな…
そこで、こんなレクチャーを受けて、そういう良い考えを皆で守って実践するようなところに行きたいな…

しかし不思議なことに、舞台であるザグラム社が何をしている会社なのか、主人公の業務は何なのかさっぱり分からない。地理的にどこにあるのかは、ある程度設定されているのに。

また、何だか仕事より家庭内の話が妙に多いのだ。主婦である私には親しみやすくていいのだけど…

ザグラム社とは、本当に会社なのだろうか。宗教団体ではないのだろうか。

加入した初期に、あなたはわれわれにとって大事な働きをする人ですよ、とメッセージを送る。つまり、社の重鎮が時間をかけて個人的にかかわってきて、更にサプライズ的に、もう一人の女性の重鎮、さらにその人にとっての師にあたるレクチャーを創始した人、と次々にやってくる。組織での「お父さん役」「お母さん役」「偉大な祖父役」が順にやってきて、ぜひここの哲学に従って生きてくれ、と言うのだ。そう思ってみると、家庭で取り上げている問題は、妻や子供との関係であり、自分にとって目上である親は出てこない。

組織の親役 > 自分 > 家庭内、と階層づけられているこの構造は、やっぱり宗教…

これらの点はともかく、この本が訴えている内容は、とても良い。宗教だから良くないというつもりはない(会社も宗教と見ることもできるだろうし)。しかし、この良い体験と一緒に余計なことを流し込まれたら嫌だな。


と、宗教臭さを疑っていたら、モルモン教との関連を書いている書評があった。
[書評]自分の小さな「箱」から脱出する方法(アービンジャー・インスティチュート) 極東ブログ
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2008/03/post_3aac.html
この書評は私には難しかったが、一つ目のすっきりしない点は良心という話に関連していそうだ。

まあ、このシリーズにはそれほどはまりこむコンテンツは無さそうなので、今のところはそんなに警戒することないかな。


追記: ゼンメルヴァイスの挿話(P34)は脚色されているようだ。Wikipedia等によると、発見のきっかけは4ヵ月間ゼンメルヴァイスが病院を離れたことではなく、解剖中に手を傷つけた外科医の死が産褥熱と似ていたことらしい。ゼンメルヴァイス自身も解剖も行い産褥熱の原因となっていたことや、それに対して罪の意識を持っていた部分については同様。原因は医師全員だったのだが、本文中ではなんだかゼンメルヴァイスだけが悪かったように見える。


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